予防接種について
ワクチンデビューは生後2ヶ月
- 当院では基本的には複数同時接種で行います。
- 単独接種ご希望の方は相談してください。
- 自費の分もありますので、相談の上、接種していきましょう。
- 防げる病気はワクチンを接種して赤ちゃんを守っていきましょう。
- スケジュールからずれてしまった、接種期間を過ぎてしまった、必要な回数を打ち終わっていない場合は早めに相談してください。
ご持参いただくもの
- 母子健康手帳
- 健康保険証
- 小児医療証
- 診察券など
接種予定前に体調を崩した場合
症状 | 次の予防接種まであける期間 | |
---|---|---|
発熱なし | 軽度の鼻水や咳のみ | 診察次第で予定通り可能 |
発熱あり | 上気道炎など軽い風邪 | 熱が下がってから1週間 |
突発性発疹、手足口病、りんご病、ヘルパンギーナ、インフルエンザ、プール熱等 | 治ってから約2週間 | |
水痘、おたふくかぜ、ポリオ、はしか、風疹等 | 治ってから約2-4週間 |
定期接種(公費)と任意接種(自費)
予防接種には、下記のように「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。
定期接種の標準的接種期間と回数(公費)
ワクチン | 標準的接種期間 | 公費で接種可能な期間 |
---|---|---|
Hibワクチン 不活化ワクチン |
生後2ヶ月開始 初回接種の月齢により回数が異なります |
生後2ヶ月~5歳未満 |
五種混合(Hib+四種混合)ワクチン*7 不活化ワクチン |
生後2ヶ月開始 | 生後2ヶ月~7歳半未満 |
小児肺炎球菌ワクチン 不活化ワクチン |
生後2ヶ月開始 初回接種の月齢により回数が異なります |
生後2ヶ月~5歳未満 |
B型肝炎ワクチン*1 不活化ワクチン |
生後2ヶ月開始 母子感染予防は生直後から |
生後2ヶ月~1歳未満 |
ロタリックス (ロタウイルスワクチン)*2、3 生ワクチン |
生後2ヶ月開始 1回目は14週6日まで |
生後6週~24週 4週間の間隔をあけて2回経口摂取 |
ロタテック (ロタウイルスワクチン)*2、3 生ワクチン |
生後2ヶ月開始 1回目は14週6日まで |
生後6週~32週 4週間の間隔をあけて3回経口摂取 |
四種混合ワクチン*4 不活化ワクチン |
生後2ヶ月開始 | 生後2ヶ月~7歳6ヶ月未満 |
BCGワクチン 生ワクチン |
生後5~8ヶ月 | 1歳未満 |
水痘ワクチン 生ワクチン |
6ヶ月以上あけて2回目 | 1回目・2回目ともに 1歳~3歳未満 |
MR(麻疹・風疹混合)ワクチン 生ワクチン |
1歳0か月開始 年長で2回目 |
1回目 1歳~2歳未満 2回目 5歳~7歳未満 |
日本脳炎ワクチン 不活化ワクチン |
1期 3歳0ヶ月開始 2期 9歳0ヶ月 |
1期 6ヶ月~7歳6ヶ月 2期 9歳~13歳未満 20歳未満の方は救済措置に該当する可能性あり、要相談 |
子宮頸がんワクチン(9価シルガード9)*5 要事前予約 不活化ワクチン |
中学校1年生までに開始 ◎定期接種の対象年齢:小学校6年~高校1年生相当の女子 |
2回もしくは3回(15歳までは2回接種:初回、初回から6ヶ月後、15歳以上は3回接種:初回、初回から2ヶ月後、初回から6ヶ月後) |
二種混合ワクチン*6 不活化ワクチン |
11歳0ヶ月 | 11歳~13歳未満 |
任意接種(自費)
定期接種以外の予防接種です。定期接種の対象期間を過ぎたものも任意となります。自費になりお金がかかりますが、感染予防、重症化の防止のため、接種をお勧めします。
ワクチン | 標準的接種期間 | 接種回数 |
---|---|---|
B型肝炎ワクチン*1 不活化ワクチン |
生後2ヶ月~ 1歳未満は定期接種、それ以外の年齢の方は自費(要事前連絡) |
3回(初回、初回から4週間後、初回から約5ヶ月後) |
おたふくかぜワクチン 生ワクチン |
1歳0ヶ月~1歳3ヶ月 年長で2回目 |
2回(2~4年あけて) |
不活化ポリオ*2 不活化ワクチン |
4~6歳 | 四種混合4回接種後に追加1回 |
三種混合*3 不活化ワクチン |
年長もしくは二種混合の代わりに自費で | 四種混合4回接種後に追加1回 |
インフルエンザワクチン (10月頃~)*4 不活化ワクチン、4価 |
生後6ヶ月~ 13歳未満 |
2~4週間の間隔で毎年2回 |
13歳~ | 毎年1回 |
※上記以外のワクチンについては、ご相談ください。
※0歳や1歳の時点で接種していないものがあっても、それよりも上の年齢で接種できる場合があります。「接種をしていない」「必要な回数を終わらせていない」などの場合は、早めにご相談ください。一緒に計画をたてて接種していきましょう。
不活化ポリオの追加任意接種について(自費・要事前予約)
ポリオ(小児まひ、急性灰白髄炎)を予防するワクチンには、口から飲む(経口)生ワクチンと注射の不活化ワクチンの2種類があります。
日本の定期接種には生ワクチン(経口)のポリオワクチンが指定されていましたが、2012年9月からは注射の不活化ポリオワクチン(不活化ポリオワクチン単独もしくは四種混合)に切り替わりました。不活化ポリオワクチンもしくは四種混合を接種した場合は、学童期以降にポリオの抗体が低下するため追加接種が望まれます。4~6歳で、5回目を接種することで抗体価を高く維持することができます。
三種混合の追加任意接種について(自費・要事前予約)
不活化ポリオワクチンと同様に学童期以降に百日咳の抗体が低下するため追加接種が望まれます。4~6歳もしくは二種混合(11歳~13歳)の代わりに、三種混合の5回目を接種することで抗体価を高く維持することができます。
*現在は四種混合(三種混合+不活化ポリオ)の5回目の接種が認可されていないため、不活化ポリオと同時接種希望の方は、三種混合と不活化ポリオの2本を接種します。
子宮頸がん(HPV)ワクチンについて:公費もしくは自費、要事前予約
子宮頸がんワクチンは、がんの原因ウィルスの感染を予防できるワクチンです。子宮頸がんの発症を約7割予防します。
日本では毎年約11,000人の若い女性が子宮頸がんを発症し、毎年約2,800人の方が亡くなっています。17歳未満でHPVワクチンを接種すると子宮頚がんの88%を防ぐことが報告されています。
厚生労働省は2013年から積極的な接種勧奨を一時中止していますが、接種後に生じた診療・相談体制の確立、健康被害を受けた接種者に対する救済などの対策がとられたこと、国の調査研究結果(*下記参照)が出たことから、若い女性たちの命と健康を守るため、日本小児科学会はHPVワクチン接種を勧めていく方針となりました。
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*国の調査研究結果:HPVワクチン接種後に現れた症状の多くが、ワクチン固有のものではないこと、国外からもワクチンの有効性と安全性に対するデータが蓄積されていること、HPVワクチンを積極的接種されている国に比べて、日本国内の若い女性の子宮頸がんが明らかに増えていることがわかりました。
2020年10月1日以降の予防接種間隔の変更について
2020年10月1日から予防接種時に必要な接種間隔は以下の2点のみに変更になります。
① 注射生ワクチン(BCG、麻疹風疹、水痘、おたふく)を接種した場合、次の注射生ワクチン(BCG、麻疹風疹、水痘、おたふく)を接種するまで27日以上あける。
② 複数回接種する予防接種は、各ワクチンに必要な接種間隔をあける。
※ 変更後は、不活化ワクチン接種後、次のワクチンまで6日以上あける、生ワクチン接種後、次の不活化ワクチンまで27日以上あける等の、接種間隔は必要なくなります。
予防接種健康被害救済制度について
予防接種は、感染症を防ぐためにとても重要なものですが、極めて稀ながら脳炎や神経障害など、副反応による重大な健康被害が生じるケースがあります。万が一、定期予防接種による健康被害が生じた場合は、救済給付を行うための制度があります。それが、「予防接種健康被害救済制度」です。当該健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定した場合は、市町村により給付が行われます(第三者で構成される疾病・障害認定審査会により「因果関係」に係る審査があります)。ただし対象年齢や受ける回数・間隔を超えた場合には、その対象となりませんので、ご注意ください。